離婚による財産分与登記
財産分与とは
財産分与とは夫婦が協力して婚姻中に築いた共有財産を精算・分配することです。
不動産を財産分与の対象とした場合、財産分与を原因として不動産の所有権移転登記をします。
財産分与を請求できるのは、離婚成立から2年以内です。
一般的には、離婚届を出す前に、財産分与の話を詰めておいて、離婚成立後すみやかに財産分与登記をした方がよろしいかと思われます。
財産分与による所有権移転登記の費用
財産分与による所有権移転登記には、実費と司法書士報酬がかかります。
まず、実費ですが、不動産の評価額の2%の登録免許税を収める必要があります。
この他、登記事項証明書(登記簿)を取るのに数千円程度の実費がかかります。
司法書士報酬ですが、これは物件の評価額や数によって変わりますので、登記事項証明書や固定資産税評価証明書を取得して見積を計算します。
一般的には、所有権移転登記の報酬として5万円ぐらいからかかります。
登記簿上の所有者の住所が、現在の住所と異なる場合などは、その変更登記を入れる必要があるので、その費用もかかります。
不動産を財産分与する場合の税金
不動産を財産分与の対象としたときは、不動産を譲った方に譲渡所得税がかかります。
控除等で税金がかからない場合もありますが、申告自体は必要となります。
税理士に申告を依頼する場合は、当事務所で紹介することもできます。
財産分与による所有権移転登記の必要書類
書類 | 備考 | |
---|---|---|
不動産を引き渡す人の書類 | 登記済証または登記識別情報 | 紛失している場合でも手続はできます。 |
離婚の記載のある戸籍謄本 | ||
印鑑証明書 | 3ヶ月以内 | |
実印 | ||
身分証明書 | 運転免許証やパスポートなど | |
固定資産税評価証明書 | 司法書士の方で取得できます。 | |
不動産を受け取る人の書類 | 住民票 | |
認印 | ||
身分証明書 | 運転免許証やパスポートなど |
不動産を引き渡す人の住所や氏名が、登記上の住所や氏名と異なる場合は、つながりが分かる書類(住民票など)が必要になります。
財産分与の注意点
住宅ローンについて
住宅ローンの抵当権がついている場合は、財産分与で不動産の名義を変えても良いか銀行に確認した方が良いかと思われます。
銀行の承諾がなくても、財産分与による所有権移転登記はできますが、住宅ローンの契約上、勝手に名義を変更しないようにと定められている場合が多いです。
なお、財産分与による所有権移転登記で、不動産の所有者が変わっても、住宅ローンの債務者が変更される訳ではありません。
銀行が債務者を変えることに同意しなければ、住宅ローンの債務者となっている人は、財産分与で所有者が変わっても、住宅ローンの支払義務がなくなる訳ではありません。
住宅ローンの債務者を変えられるかは、銀行に相談してみてください。
離婚公正証書の作成
離婚調停ではなく、協議離婚をする場合、財産分与や養育費、慰謝料などの金銭的な取り決めごとは文書で残した方がよろしいかと思われます。
公正証書で、金銭の支払について取り決めごとをしておけば、取り決めが守られなかった場合、裁判を起こすことなく強制執行(差押)をすることができます。
財産分与による所有権移転登記の流れ
- ご予約のうえ、事務所にいらしてください。ご予約は、電話(0493-31-2010)かメールにて承っております。
離婚届を出す前から相談された方がよろしいかと思われます。 - 事務所にて物件や財産分与の内容についてお伺いします。税理士に相談した方が良いと思われるケースでは、税理士を紹介することもできます。
- 財産分与登記に必要な書類をお知らせします。
- 登記事項証明書や固定資産税評価証明書を取得して、財産分与登記の見積をお知らせします。
- 事務所に、不動産を渡す人と受け取る人とでいらしてください(別の日に別々にいらしてもかまいません)。必要書類に署名捺印して頂きます。登記に必要な書類も預かります。
- 法務局に、財産分与登記を申請します。登記が完了するまで、1~2週間程度を見ておいてください。
- 登記が完了しましたらご連絡します。登記識別情報(昔の権利証の変わりのもの)をお渡しします。